人の世の冷たさ、そして熱と光 行動する国際政治学者の軌跡

[副題]行動する国際政治学者の軌跡
「水平社宣言には、世の中の冷たさを知る者が『人の暖かさ』を求めるという、西洋の合理的個人主義にはない感性があります」(本文より)

反差別国際運動をはじめ、長年人権活動に取り組んできた国際政治学者・武者小路公秀が活動を支える自らの学問・思想的背景、 そして部落解放運動との出会いを語る回想記です。同時に、自らの過去を振り返りつつ、あるべき未来像を力強く語りかける内容となっています。

〈著者紹介〉
武者小路公秀(むしゃこうじ きんひで)
1929年ベルギー生まれ。学習院大学政経学部卒業。パリ大学、プリンストン大学留学。学習院大学、上智大学、国連大学(副学長)、明治学院大学、フェリス女学院大学教授を経て、現在、中部大学高等学術研究所所長。専門は国際政治学、国際関係論。著書『国際政治を見る眼』『転換期の国際政治』(いずれも岩波新書)、『国連の再生と地球民主主義』 (編著、柏書房)他。また、学究生活の一方で、反差別国際運動(IMADR)、ヒューライツ大阪をはじめ、日本国内外で人権擁護活動に熱心に取り組み、その功績により2003年3月、 第6回松本治一郎賞を受賞。

目次

第1部 忠実に学ぶ前に歴史家を研究せよ

  • 第1章 ヨーロッパ生まれのヨーロッパ育ち
  • 第2章 日本に帰国

第2部 現代のグラムシ

  • 第1章 パリ大学に留学
  • 第2章 プリストン大学 しばしグラムシを離れて
  • 第3章 対話を求めて
  • 第4章 国連大学 対話

第3部 人の世の冷たさ、そして熱と光

  • 第1章 部落解放運動
  • 第2章 反差別国際運動
  • 第3章 そして今、グローバル・ファシズム

補論 プルードンの政治思想 その発想と展開に関する試論-(抄)