「平和への権利」とは何か?
現在国連では「平和への権利」に関する宣言の採択に向けた議論がすすんでいます。本書はその歴史的背景と意義を知るための必読の一冊です。 国際市民社会で「平和への権利」についての議論に関わってきた4人の研究者と、私たちIMADRの活動のテーマである人権、差別の諸問題に取り組む活動 家による論考は、「平和への権利」について、そして平和に生きる権利の実現を妨げるものは何かについて考える糸口を提示してくれます。 巻末には、資料として、2011年3月に国連人権理事会から出された「平和への権利」に関する宣言に向けた中間報告書の日本語訳も掲載されています。
目次
1.”平和への権利”の議論とその背景
序文: 平和への権利―その性質と範囲 (マリオ・ホルヘ・ユーツィス)
「世界人権宣言」から「平和への人権世界宣言」 (テオ・ファン・ボーベン)
平和への権利と「平和的生存権」―人権の第四世代の形成期を迎えて― (武者小路 公秀)
人民の平和への権利国連宣言のために (前田 朗)
2.”平和に生きる権利”を阻むもの
ダリット女性―貧困とグローバル化 (ブルナド・ファティマ・ナティサン)
統合されたヨーロッパで続発するロマ差別 (金子 マーティン)
アフガニスタン、女性差別と暴力の実態 (川崎 けい子)
平和に生きる権利を阻むもの・沖縄―日本人の意識と米軍基地の存在 (喜久里 康子)
子どもの商業的性的搾取の実態 (藤原 志帆子)
排除され抑圧される朝鮮学校の問題より (江頭 節子)
資料
人民の平和への権利に関する人権理事会諮問委員会進展報告書(A/HRC/17/39)
人権および平和への権利をめぐるこれまでの世界と日本の動き