E-CONNECT No.10

配信日:2011年10月7日
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特集:第8回IMADR総会開催

2011年9月13日、第8回IMADR総会が東京で開催されました。国内外から200人近い参加者が集まり、過年度の活動報告および次年度の活動計画を承認しました。
IMADR理事より、スリランカ、ネパール、ナイジェリア、ドイツにおけるそれぞれの反差別の活動について現状と課題が報告がされました。総会はホロコースト被害者のロマの墓地が確保されていない問題に関するメルケル首相への要請文、そして狭山裁判の再審実現につながる証拠開示と事実調べを求めた東京高裁・高検への要請文の決議案を採択して終了しました。

世界のIMADR:沖縄は日本の植民地である

季刊総合誌「環」42号に掲載された松島泰勝さん(龍谷大学)のエッセイです。
石垣島に生まれ、南大東島で育った松島さんのエッセイは、小学生の頃に母語を使った級友が教員に罰として首から札をかけられたこと、東京の大学に入って学友に「沖縄から来た」といったら好奇のまなざしを向けられたことなど自身の体験から始まり、1609年家康が薩摩藩に琉球侵略を命じた時からの日本による支配の歴史をたどっています。

IMADRとその課題:欧州におけるスィンティおよびロマに対する差別と排除

2011年9月11日・12日に東京で開催されたIMADR理事会は、欧州のロマに関する決議案を採択しました。
決議にて、IMADRは「EUの2020年までの国内ロマ統合戦略の枠組を歓迎する。EUはロマに関するさまざまな政策を打ち出してきたが、問題は加盟国レベルでそれが実施されていないことだ。各国がそれぞれの国内の問題として対応することが強く求められる、・・・」をはじめ、欧州でますます高まる人種差別と極右の動き、インターネット上での差別扇動などについて懸念を表明しました。

IMADRと国連:スリランカの強制失踪を共通の人権課題に

2011年8月30日の失踪に反対する国際デーの日、内戦が終了しても多くの強制失踪者を出しているスリランカで、人権団体、教会、被害者家族などが集まり、「政府に拘束中の被拘禁者リストを公開すること、国内人権委員会は失踪者のリストを作成すること」などの要請が決議されました。在スリランカスウェーデン大使、国連機関代表者および諸外国の公使館の代表も参加しました。強制失踪を許さない国際世論の形成が求められています。

関連出版物:「Durban and Beyond (ダーバン以降)」(英語書籍)

英文書籍シリーズPeoples for Human Rights のVol.8です。
ダーバン会議から丸10年が経ちました。さまざまな議論と課題を残したダーバン会議の直後に、IMADRが出版した書籍です。
その中で示唆されている世界の人種差別の撤廃に向けた取り組みの問題点と課題は、10年経た今も大きな意味をもっています。
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