良心の場所─記憶、真実そして正義

記憶を守る 真実を広める 正義を追及する 「良心の場所」国際同盟(仮、英文名はInternational Coalition of Sites of Conscience)のウェブサイトを紹介します。https://www.sitesofconscience.org/
忘れまいとする力と、忘れさろうとする力は、しばしば拮抗する。過去を消し去ることは、新しい世代が歴史の重要な教えを学ぶことを妨げ、現代そして将来にわたり平和を確立する機会を壊すことになる。

 

記憶をアクションに変える
「良心の場所」とは、史跡、博物館、記念碑などの記憶の場であり、より公正で人道的な社会を築くために、記憶が消し去られることを防ぐ場です。「良心の場所」は、どんなにトラウマが残る出来事であっても、それを安全に思い起こし、維持するスペースを提供します。そして、訪れた人が過去と現代の人権問題を結びつけることができるスペースでもあります。
1999年に設立された「良心の場所」国際連盟(仮訳)は、記憶の場所をつなぐ唯一の世界ネットワークです。65カ国以上に350以上の会員がいて、ファンド拠出、ネットワーク支援、トレーニング、移行期の正義の仕組み、アドボカシー活動などを通じて、「良心の場所」を保持しているメンバーの力を高めます。私たちのメンバーはさまざまな歴史を背景にもっています。長年民主主義を維持してきた国、暴力の遺産に苦しんでいる国、紛争後の移行期の正義に取り組み始めたばかりの国など、状況は異なるものの、過去の教訓を活かして、現在の社会正義の問題に対する解決策を見出すという共通のコミットメントで結ばれています。
「良心の場所」国際連盟は20年以上にわたり、世界中のコミュニティと協力し、過去と現在の真実に光をあて、記憶を結集させて不正義を暴き、不処罰に対抗してきました。侵害の歴史を記録し、保存し、直視することで、被害を受けたコミュニティは、紛争やその他のトラウマの歴史から抜け出し、やがて説明責任を求め、体系的な変化を提唱し、暴力防止に積極的に関与するようになります。
私たちは、「良心の場所」の力は本来備わっているものではなく、人権と市民参加のために意図的な方策として活用していかなければならないと認識しています。今を活性化させるために過去を利用するこの意識的な努力が、「良心の場所」運動の特徴です。65カ国にある350以上の「良心の場所」のネットワークとして、私たちは毎年数千万人の人々に、民主主義と人権に対する今日の課題に対して行動を起こすために歴史の教訓を活用するよう働きかけています。
「良心の場所」国際連盟は、世界にあるこれらの素晴らしい場所に、違いを超えて人々を結びつける参加型プログラムを作り、実施するために必要なスキルを提供し、人権の闘いが行われた場所を保存し、そこで起きたことについて語り、記憶と芸術と文化の力を通して、より公平で公正そして平和な地域社会を築き、将来にわたって保持することをすべての地域社会に提唱しています。

今日、世界中の独裁者、独裁政権、抑圧的な政権、そして白人ナショナリストが、自らの権力を保持するために過去を書き換えようとしている。民主主義と人権に対するこのような重大な脅威に対抗するために、私たちはそれぞれのコミュニティで、最も疎外され、汚名を着せられ、弱い立場に置かれている人々の記憶を集め、共有するための専用のスペースを必要としている。「良心の場所」はそのようなスペースである。

 

参加団体(一部)
南アフリカ:アパルトヘイト博物館
ウガンダ:アフリカ青年イニシアチブネットワーク
ミャンマー:クロスカルチャー財団
オーストラリア:移民博物館
カンボジア:平和研究所
日本:女たちの戦争と平和資料館
チリ:囚われの歌
アルゼンチン:メモリア・アルベリタ
アメリカ合衆国:ブラックホロコースト博物館
ロードアイランド:和解のセンター
コソボ:ディスカバリーセンター
ケニア/英国:英国植民地博物館
チュニジア:記憶のための地中海フォーラム

(報告:IMADR事務局)