2020.12.1

アジア太平洋地域フォーラム開催される(10/19-10/20)

2020年10月19日から2日間に渡り、「ヘイトスピーチ、ソーシャルメディアそしてマイノリティ」をテーマに、第2回マイノリティ問題に関するアジア太平洋地域フォーラムがオンラインで開催されました。フォーラムには政府、国際機関、市民社会、学術研究者、そしてマイノリティグループから約145名が参加しました。フォーラムはマイノリティ問題に関する国連特別報告者が招集したもので、2021年3月の国連人権理事会に特別報告者が提出するテーマ別報告書に反映されます。フォーラムは、以下の5つの具体的な目標を掲げて開かれました:

●マイノリティに属する人びとに対する差別、敵意、暴力の扇動を含むネット上のヘイトスピーチの形態と、それらの流布にソーシャルメディアが果たす役割、そして「萎縮効果」など、ネット上のヘイトスピーチがもたらす有害な影響について認識を高め、理解を促進すること。

●ソーシャルメディア上でのマイノリティに対するヘイトスピーチの流布、特に差別や敵意、暴力の扇動に関する法的、制度的、政策的課題を特定すること。

●ソーシャルメディア上でのマイノリティに対するヘイトスピーチの流布への対応について、国際人権法と国際人権基準に沿った適切な対応、特に国家、ソーシャルメディア・プラットフォーム、市民社会による対応、とはどのようなものなのかを、良き実践例を参考にしながらながら考え、確認すること。

●法律や政策の策定過程だけでなく、ネット上のヘイトスピーおよび人権や民族的、宗教的、言語的多様性の促進に関する世界的な議論においてマイノリティに属する人びとやその代表の参加を強化すること。

●さまざまな利害関係者間のパートナーシップを強化し、マイノリティに対するヘイトスピーチ、特にソーシャルメディア上での差別、敵意、暴力の扇動に対処するための能力を育成すること。

フォーラムは4つのテーマ別のセッションからなります。1.マイノリティを標的とするヘイトスピーチの原因・規模・影響、2.国際的な法制度上の枠組み、3.ヘイトスピーチの規制:政府間機関、国、インターネット企業およびソーシャルメディア・プラットフォームの役割と責任、4.マイノリティにとってより安全な空間に向けて:オンラインのヘイトスピーチに対処する前向きな取り組み:国内人権機関、人権団体、市民社会その他の関係者の役割。

それらセッションからでてきたさまざまな立場の参加者からの提言(勧告)がレポートとしてまとめられました。アジア太平洋地域においてもこの問題がより深刻な影響をもたらしていること、そして、さまざまなステークホルダーがこの問題に対して具体的なアプローチをとっていることが分かります。これら提言には、私たちの取り組みへのヒントが多く含まれており、示唆に富むものです。レポートはここからご覧いただけます。

なお、フォーラムでは、セッション2で金尚均さん(龍谷大学法科大学院教授)がパネリストとして問題提起を、セッション4でIMADRジュネーブ事務所の小松泰介がモデレーターを務めました。

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