現代世界と人権19「グローバル化の中の人身売買―その撤廃に向けて」

「人身売買の被害者の人権」という視点から、問題解決につながる道筋をつけるべく本書は編集されました。人身売買を生み出す原因や、日本における実態、現在の法的、行政的制度・計画の問題点、人身売買撤廃と被害者の救済・保護に必要な政策についての論考を掲載しています。また、資料編では、日本政府による「人身取引対策行動計画」やその課題と分析、女性差別撤廃委員会の日本審査で何が問題とされたか、国連の人身売買禁止議定書やガイドラインなどを掲載しています。

目次
  • グローバル化と人身売買―人身売買を生み出すもの 武者小路公秀
  • 心身に深い傷を負う被害者たち―人身売買禁止ネットワークの調査にみる日本における    人身売買の実態 稲葉奈々子、斎藤百合子
  • シェルターから見た人身売買―1997 年以降のHELP にみるタイ人女性の人身売買問題
    斎藤百合子
  • 人身取引被害者支援法の制定を―人身取引に関する現行国内法と政府対策の問題点     吉田容子
  • 人権を最優先に人身売買の根絶策を―人身売買禁止議定書と人権高等弁務官ガイドラインに   ついて 米田眞澄
  • 人身売買被害者の人権回復と補償を求めて―NGO のロビー活動と改正法および残された課題
資料編

Ⅰ日本政府の立法・行政施策関連

  • ⑴  女性差別撤廃委員会日本報告書審査 最終コメント(マイノリティ女性・人身売買関連部分の抜粋)
  • ⑵  女性差別撤廃条約実施状況についての日本政府第4 ・5 次報告書に対するIMADR-JC 報告書 マイノリティ女性に対する複合差別―欠落している視点と政策(人身売買関連部分の抜粋)
  • ⑶  人身取引対策行動計画
  • ⑷  「人身取引対策行動計画」(2004 年12 月7 日)のうち、「Ⅲ- 4 人身取引被害者の保護」に関する分析と課題 人身売買禁止ネットワーク(JNATIP)

Ⅱ 国際機関・条約関連

  • ⑸  女性の人権とジェンダーの視点の統合―人とくに女性と子どもの人身売買に関する特別報告者による報告(抜粋)
  • ⑹  国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書                                (略称 国際組織犯罪防止条約人身取引議定書)
  • ⑺  人権および人身売買に関して奨励される原則および指針『経済社会理事会に提出された国連人権高等弁務官報告書』

Ⅲ IMADR の活動関連

  • ⑻  搾取的移住と人身売買の撤廃に向けたIMADR の活動概要 反差別国際運動(IMADR)
  • ⑼  搾取的移住・人身売買との闘いにおける「市民」と「群衆」―世界社会フォーラム2004 におけるIMADR 主催イベントから 武者小路公秀
  • ⑽  人身売買と闘う国連年に向けた提言 反差別国際運動(IMADR)
  • ⑾  人身売買に関するデータベース一覧 反差別国際運動(IMADR)