ますます重要になる国際人権保障の考え方

早坂 公幸(はやさか きみゆき)

一般社団法人  神奈川人権センター事務局長

 

一般社団法人神奈川人権センターとは、部落、民族、障害者、患者、女性、海外援助協力などの問題に取り組む県内の人権NGO(人権問題解決のために活動する市民団体)など計22団体と6個人の正会員で構成され、それに積極的に協力、連携する多くの賛助会員(13団体7個人)によって支えられている団体です。

世界人権宣言40周年(1988年)の記念行事の開催を契機として準備を始め、1990年6月に任意団体として神奈川人権センターを設立し、1993年8月に社団法人、2012年4月に一般社団法人となりました。人権NGO諸団体が集まり社団法人になったことは、全国ではじめてのことではないでしょうか。

今日ではNGOの活動は世界規模で解決が必要とされている環境、開発、平和、人権などの問題に対して重要な役割を果たすようになっています。このようななか、私たち人権NGOが中心となり、基本的人権が侵されている人びとやマイノリティの人権の擁護・確立をめざし、県内をはじめ、国内において国際社会で取り決められた人権基準がすべての人に保障される社会をめざしています。

神奈川人権センターでは、神奈川人権研究交流集会(10月)や人権学校(5月~7月)、かながわ国際人権集会(11月)といった人権に関する講演会やシンポジウムなどを開催するとともに、県内自治体とのパートナー関係を強化するために自治体人権担当者交流会議(7月)、各自治体・教育委員会への政策提言と要請行動(7月)などに取り組んでいます。また、人権センターニュース(月1回)や人権ブックレット(1~

12号)の発行にも取り組んでいます。

 

このほか、神奈川人権センターの事業としては、人権相談活動の推進に取り組んでいます。主なものとしては2010年から実施している「DVに悩む男性のための電話相談」(毎週月曜日)や人権ケースワーカー制度があります。

 

相談活動の充実・人権意識の向上をめざすためには、県内の人権NGOのネットワークをより広く、より強くすることが求められます。そのためには、各団体間の協力関係・相互交流を進めていかなければなりません。また、日本国内や世界の国々のさまざまな人権を守る活動に積極的に協力していくことも重要と考えています。

 

国際的な、そして国や地方自治体レベルでの法的な人権の保障はもちろん重要です。人権は決して抽象的なものではなく、私たちが生きていくなかで、すぐ隣の人との関係から考えることではないかと考えます。

 

私たちが取り組んでいる国際人権保障とは、世界中どこに住んでいても等しく人として尊厳を保障されることを実現しようというもので、人権を保障することが平和の基礎になると確信しています。国際社会で取り決められた人権基準=国際人権保障の重要性は、軍事主義が拡がっていく現代において、ますます重要になっています。

 

最後に報告を1つ。近年、川崎市において在日コリアンの人たちを標的に、憎悪をむき出しにして差別の扇動を行なう行為(ヘイトスピーチ)が繰り返されています。これは表現の自由などといったものではなく、明らかな人種差別行為であり人権侵害で、断じて容認できるものではありません。

 

神奈川人権センターは、「ヘイトスピーチを許さない かわさき市民ネットワーク」に参加し、言葉の暴力で人権を踏みにじる行為を根絶するため取り組んでいます。言葉の暴力はやがて力による暴力へとエスカレートしていきます。人権が尊重される社会をつくるため、今年も全力で活動していきます

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