2014年度 活動報告の概要
IMADRのパートナー団体である農村教育開発協会(SRED、タミルナドゥ州)は、連合の「愛のカンパ」の支援を受けて、5年間のプロジェクトを実施している。その4年目になる2014年度の活動報告の概要を紹介する。プロジェクト報告の詳細は、IMADRのウェブサイト参照。
1.ダリットの青少年の教育
1)アンベドカル通信教育コース-公正、平等、非差別の実現に向けて(対象130人)
ダリットの青年を対象にした、社会正義、平等および非差別に関するアンベドカルの教えと思想を学ぶ1年間の通信教育。コース修了者はマドゥレイのダリット研究所から認定証を受けた。コース期間中、SREDはカラルにあるSREDセンターの図書コーナーに学習支援用の書物や資料を整え、受講者が自由に閲覧できるようにした。定員は130人とし、高校教育修了者を対象とした。
2)中途退学防止のための就学児童学習支援(対象約800人)
学校の授業内容をより理解して学習意欲を高めるために、ダリットの子どもたちに毎日夕方学習支援のクラスを開いた。今期は20のダリットの村で、村の公共施設や子どもデイケアセンターを利用してクラスを開いた。これを行なっていくことで、村全体に学校教育への関心と支持が広がった。
2.ダリット女性の自立のためのスキルトレーニング(対象約100人)
1)縫製、刺繍、石鹸作り、キャンドル作り、漬物作り
ダーマプリ地区のダリット女性たちを対象にスキルトレーニングを実施した。ダーマプリは2012年11月に他カーストからの大規模な襲撃をうけ、286の家屋が壊され、女性たちは職を失い無職のままだった。そのため、家で使う道具や台所道具を簡易に作る方法や、縫製、刺繍、石鹸作り、キャンドル作り、漬物作りなど、仕事を得たり自営するための様々なスキルトレーニングを実施した。
2)エコ農業
ダリット女性および先住民族女性、障害のある女性を対象に、集団で行うエコ農業および持続可能な農業実践についてトレーニングを提供した。また、問題が発生した時にどのように事態を分析し解決するかなどについてもトレーニングした。さらに、インド州立銀行の銀行員を招いて、政府が提供している貸付スキームについて講義を行なった。こうした生活能力を身につけるトレーニングの結果、アンナナガル、ダーマプリ地区のダリット女性30人が学んだことを活かして小規模の経済活動を始めた。女性たちの今後の計画は作っている製品の質を向上させて、市場へのつながりをもつことである。
(翻訳:小森恵)