自由権規約委員会 日本審査迫る

今年は7月の自由権規約(1)及び8月の人種差別撤廃条約と、日本の条約実施を審査する2つの重要な国連審査が行われる。自由権規約委員会は審査に先立ち、2013年11月に日本政府に対して質問リストを出した。政府の報告内容だけではクリアでない問題等について、さらなる情報を求めた質問である。これら質問は7月の審査において取りあげられるだろう。いずれも私たちの社会が現在直面している人権課題ばかりである。その中で、IMADRの活動に関係する問題を以下に挙げる。自由権審査をどう活かすか。8月の人種差別撤廃委員会の審査と共に私たちに大きく問われている。

▶国内人権機関の設置について。
▶第一選択議定書(個人通報制度)の批准について。
▶直接・間接差別を禁止する法律の制定について。
▶移住女性、マイノリティ女性のDV被害の申し立て制度やリハビリへのアクセスについて。
▶在日コリアン高齢者の無年金問題に関する措置について。
▶在日コリアン、LGBTなど、特定の集団をターゲットにした憎悪や差別扇動のスピーチへの対応措置について。
▶人種優越の宣伝流布:“Japanese Only、日本人のみ”と限定したビジネス活動、部落民に対するネガティブなイメージ固定化への対応措置について。
▶アイヌ民族、琉球・沖縄の人びとの教育、雇用、公的部門への参加における差別。文化継承、伝統的な暮らし方、土地の権利の保護と促進の措置について。アイヌ、琉球・沖縄の子どもたちに向けた言語や文化教育促進の措置について。
▶マイノリティの子どもの教育の権利について。
▶朝鮮学校への授業料無償化の適用について。大学受験資格について。
▶“慰安婦”女性が性奴隷として虐待されたことに対する法的責任について。補償、事実究明および加害者訴追について。この問題についての啓発活動について、また公人による歴史事実否定の発言に対する措置について。
▶性的搾取と人身売買について。
▶改定入管法のもとでの労働権の保障、特に外国人技能実習生の関係からみて。
▶移住者の子どもの国籍取得、遺産相続、出生届に関する問題について。
(27項目の質問リストより一部抜粋)

(1)自由権規約:市民的及び政治的権利に関する国際規約。日本は1979年に批准している。これまで5回審査を受けてきた。