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【ジュネーブ発速報】国連人種差別撤廃委員会で日本は何を問われたか?(日本審査前半の報告)

更新日:2014年08月21日

8月20日(水)午後3時から始まった人種差別撤廃委員会(CERD)の日本審査前半の報告です。

パレ・ウィルソン(ジュネーブにある国連人権高等弁務官事務所)の審査会場は日本のNGO関係者と報道関係者でほぼ満席となりました。審査前に委員を招いて行ったNGOブリーフィングでヘイトスピーチの街宣のさまざまなシーンを集めた5分間のビデオを上映したこともあり、審査では、日本におけるこの深刻な問題が放置されていることに委員の懸念と関心が集中しました。また、朝鮮学校が政府や自治体の学校支援制度から排除されていることに多くの委員が言及しました。

特筆すべきは、委員らから「報告書に、“前回(時には前々回)の報告書パラ(段落)〇○参照”」と書くのはやめてほしいという苦情ともとれる注文が出ました。この照会の仕方は政府報告書のあちこちで散見されます。各国からの膨大な資料を前に準備をする委員にとって、そのために以前の報告書のページをめくるような時間はありません。

何よりも、それは不誠実な対応であるし、「10年前の通り」などと書くこと自体、その問題に関して何ら進展を招くようなことをしてこなかった自らの態度を示すことになります。7月の自由権の日本審査で委員会が示した懸念と同様、これは日本政府の国連人権諸条約に対する態度への厳しい批判ともとれるコメントです。

20日の審査で委員たちから出された質問やコメントは私たちNGOが報告書に挙げた問題の多くをカバーしました。

どのような問題に16人の委員の懸念や関心が向けられたのか、全体像が少しでも見えればと思い、標題だけになりますが、以下のように列挙します。聞きもらしなどがあり、すべて網羅できていないことをお含みおきください。また、記入はしませんが、アイヌ政策や難民プログラムで政府の努力を評価するコメントもありました。

21日(午前10時から)はこれら質問に対して政府が回答します。それを受けてさらに委員会とのやりとりが行われ、午後1時に日本審査は終了します。

(小森恵 ジュネーブより)

人種差別禁止法の制定 5人

前回の勧告全般の不履行 2人

“前回の報告書パラ〇○参照”の引用への苦情 4人

細分化されたマイノリティコミュニティのデータの必要性 2人

パリ原則を踏まえた国内人権機関の設置 4人

4条(a)(b)留保の撤回 6人

他の未批准条約の批准 1人

個人通報制度が必要 1人

すべての人に平等なアクセスの保障と、“Japanese Only”などは法律で禁止 1人

インターネットと差別 1人

ヘイトスピーチとレイシズム 6人

ヘイトスピーチは表現の自由の域を超えている 3人

ヘイトスピーチが被差別者の表現の自由の権利を奪っている 2人

ヘイトスピーチと闘う一般的勧告35の履行 2人

警察によるレイシストデモの保護とカウンターの逮捕 3人

極右団体の存在  1人

政府高官の人種差別的ステートメントの放置 3人

1923年関東大震災でのコリアンと中国人虐殺 1人

日本の優越思想と植民地主義 1人

朝鮮学校の差別的扱い 6人

マイノリティグループの子どもの教育 3人

「慰安婦」被害女性と「慰安婦」問題 3人

家裁調停員への外国籍者排除  2人

国籍取得の際の日本名の押しつけ  2人

特別永住者の生活保護拒否 1人

包括的移民政策の欠如 1人

搾取的な技能実習制度 1人

人身売買性的搾取への懸念 3人

移住女性とDV被害と法的地位 2人

難民 迫害リスクのある国に返してはいけない 1人

国籍のない人  2人

不正規滞在者の長期収容 1人

ムスリム監視と人権侵害 1人

複合差別 マイノリティ女性・子ども 3人

女性の代表の欠如  1人

部落 戸籍 不正使用 2人

“世系”の解釈と一般的勧告29 2人

33年の特別措置でも残る格差  1人

アイヌ民族 ILO169号条約批准 1人

先住民族権利宣言の実現 1人

土地の権利 1人

生活に格差がある 1人

アイヌ語の消滅の危機 3人

琉球 沖縄のことは沖縄の人たち自ら決めることが重要 1人

琉球 基地使用 政府は説明なしに勝手に決めることはできない 2人

マイノリティの文化と歴史教える - アイヌ語 琉球語 2人

(8月20日の日本審査前半の様子、会場:国連人権高等弁務官事務所、ジュネーブ)

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