2018.07.7

国連人権理事会38会期報告(2018年6‐7月)

インドにおけるダリット女性に対する暴力の蔓延と不処罰の解決のための働きかけを行いました

 反差別国際運動(IMADR)は6月18日から7月6日にわたって開催された国連人権理事会38会期において、以下の活動を通して国際社会への働きかけを行いました。これらの活動は皆様からの寄付と会費によって支えられています。ぜひ寄付または会員としてのご支援をご検討ください。

口頭声明の発表

  • 「人権擁護者と国連人種差別撤廃委員会(CERD)」(6月19日)

要約:世界中で拡大する狂信的な愛国主義とナショナリズムに対して人権高等弁務官が警鐘を鳴らしたことを歓迎し、この関連で高等弁務官が指摘したハンガリー、インドネシア、イスラエル、ミャンマー(ビルマ)と米国の状況に懸念を表明しました。また、いくつかの国が国連条約機関との協力を再開したことを高等弁務官が歓迎したことに対し、人種差別撤廃条約の締約国のうち77ヵ国が報告書審査に参加していないことを指摘しました。さらに、人種差別撤廃委員会(CERD)への人権擁護者の参加を妨害する行為が増加していることに懸念を表明し、各国にそのような抑圧行為をやめるよう呼びかけると共に国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が対応を強化することを求めました。声明(英文)はこちら

 

  • 「国籍に基づく人種差別」(7月2日)

要約:昨年就任した人種差別に関するテンダイ・アチウメ特別報告者が市民社会との協力を重視していることを歓迎する共に、特別報告者からの国籍や在留資格に基づく人種差別に関する勧告を支持しました。ジェンダーや信仰、性的指向などとも交差するこの形態の人種差別から人びとを守るためには、包括的人種差別禁止法および独立した国内人権機関またはが不可欠であることをIMADRは強調しました。最後に、IMADRは人種差別撤廃のために特別報告者と市民社会との協力の発展に尽力する意思を表明しました。声明(英文)はこちら

 

 サイドイベントの開催

6月21日にカーストに基づく暴力と闘うダリット女性」と題したサイドイベントをヒューマンライツ・ウォッチ、マイノリティ・ライツ・グループ、フランシスカンズ・インターナショナル他と共催しました。このイベントは国際ダリット連帯ネットワークおよび全国ダリット人権キャンペーン(インド)の協力を得ています。イベントの詳細は次号のIMADR通信で報告します。

HRC38 side event_DalitWomenFight against Caste-Based Violence_21June2018

司会:ジョン・フィッシャー(ヒューマンライツ・ウォッチ ジュネーブ事務所代表)

パネリスト

  • アーシャ・コウタル(ダリット女性人権活動家(インド))
  • ヴリンダ・グローバー(人権弁護士(インド))
  • リタ・イザック・ンディアイェ(人種差別撤廃委員会委員)
  • ドゥブラフカ・シモノビッチ(女性に対する暴力に関する国連特別報告者)
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