2013.09.27

速報:国連でスリランカの人権状況に関する国連人権高等弁務官の声明が発表され、IMADRも口頭声明を発表しました(ジュネーブ発)

ナビ・ピレイ国連人権高等弁務官による8月のスリランカ訪問に関する口頭報告が、9月25日、スイス・ジュネーブで開催されている人権理事会にて国連人権高等弁務官代理によって発表されました。

2009年の紛争終結以降、道路や橋、医療機関や学校および住居の建設といったインフラの整備、電気や水道の普及および地雷の撤去などの復興が進展していることや、スリランカ政府が過去の教訓・和解委員会の勧告の中から新たに53の勧告を受け入れたことを歓迎しつつ、ピレイ人権高等弁務官は特に以下の点においてスリランカ政府はより一層の努力が必要であると強調しました。

2008年~2009年、内戦終結時の戦闘激化以前に避難した数千人の国内避難民は未だに帰還できておらず、また帰還したとされる多くの避難民も未だ生活のための様々な困難に直面していること、北部地域の軍事化と過度な軍の存在に伴う女性に対する暴力の悪化や土地の強制収用が続いていること、2006年のトリンコマリーにおける学生5人とNGO職員17人の殺害の調査の遅れ、宗教マイノリティに対する暴力およびヘイトスピーチの高まり、防衛省によるNGOの管理統制、人権活動家や弁護士およびジャーナリストに対する嫌がらせや報復、法の支配と民主主義の腐敗、過去の教訓・和解委員会の勧告実施のための不十分な行動計画、新たに設置された強制失踪調査委員会の権限の不十分さ、テロリズム防止法に基づく恣意的拘禁などの人権状況にピレイ人権高等弁務官は懸念を表しました。

ピレイ人権高等弁務官は軍の撤退を進めること、性的暴力を許容しない政策を採用すること、NGOや市民社会に対する制限を撤廃し市民社会が活動しやすくすること、過去の教訓・和解委員会の勧告を効果的に実施し、その行動計画において市民社会も含めた公のコンサルテーションの場を用意すること、強制失踪調査委員会がコロンボやその他の地域での「白いバン」による強制失踪も調査すること、テロリズム防止法の撤廃、人権法および人道法の違反行為に対して信頼できる独立した調査を行うこと、移行期の正義に関して真実追及機関を設置すること、未調査殺人事件やその他の人権侵害事件の調査を迅速に行いその結果を公表すること、目撃者および被害者保護法とヘイトスピーチに関する法案が採択されるよう勧告しました。

またピレイ人権高等弁務官は、9月21日に行われた北部地域議会での選挙によって権限の委譲が進み、スリランカ政府が市民社会やマイノリティの参加を含めたより包括的な復興開発事業を北部地域議会と協力して行うことを勧告しました。またスリランカ政府が国内避難民の人権に関する特別報告者を招待したことを歓迎し、さらにマイノリティに関する独立専門家も招待するよう勧告しました。さらに、強制失踪条約の批准と国連強制失踪作業部会の招待を含め2014年3月までにスリランカ政府が効果的な努力を行うよう勧告しました。

IMADRは9月26日の人権理事会において二マルカ・フェルナンド理事長が口頭声明を発表しました。
現時点で失踪調査委員会の設置と機能に進展は見られず、その権限が現在までに起こったすべての失踪事件に拡大されるよう要請しました。北部で行われた選挙に関しては、2010年の第18条憲法修正により公正な選挙のための法的枠組みが弱体化されていたことなど未だ公正な選挙のための環境が整っていないことを指摘しました。加えて不処罰の蔓延、法の支配の崩壊、市民社会およびメディアの抑圧、結社とデモの制限などが続き、人権活動家は報復の脅威にさらされながらも当事者・被害者のため、国連と協力しながら活動をしていることを強調し、政府の不履行や人権問題、責任追及に関する国内機関の不在も指摘しました。最後に、和解のためには人権侵害や戦争犯罪に関する責任追及と司法処罰が不可欠であるとし、国際人権法および人道法違反についての独立した国際調査が必要であると呼びかけました。
(ジュネーブ発)

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