IMADRブックレット12「講座 人身売買」

グローバル化の中でますます横行し、さまざまな形態をとって存在する人身売買。人身売買された人びとがその過程で直面する様ざまな問題に光を当て、「受け入れ大国」と呼ばれる日本の実態に迫るため、最前線でこの問題に取り組む講師陣を迎え、8回にわたり開催した連続講座の記録をまとめました。
「搾取を伴う、国境を越えた人の移動」としての人身売買について、それを生みだす構造に迫り、日本社会とのつながりを考え、問題解決にむけての道筋をさぐります。また、背景にあるグローバル化や人種主義、南北問題をも視野に入れ、当事者の来日前から、帰国後または日本への定住後までを含めて考えます。国際結婚、外国人研修・技能実習制度、看護師・介護福祉士受け入も人身売買の温床になりやすい問題としてとりあげています。最後に、理解の助けとなる「キーワード解説」や、もっと深く知りたい読者のための「講師からのお勧め書籍」も収録しています。

目次

第1回 アジアにおける人身売買との闘い-送り出し国の経験から
グローバル化と搾取的移住-7つの注意事項 武者小路公秀
アジアにおける人身売買との闘い-送り出し国の経験から ニマルカ・フェルナンド
第2回 日本に定住した人身売買サバイバーのその後-ドメスティック・バイオレンスの問題を中心に レニー・トレンティーノ、西本マルドニア、稲葉奈々子
第3回 人身売買の被害回復支援とは―タイの事例から 齋藤百合子
第4回 業者が仲介する国際結婚について-相談事例と体験から 西上紀江子、E(匿名)
第5回 フィリピンから日本への搾取的移住を考える-エンターテイナー問題、そして看護師・介護福祉士の受け入れをめぐって 藤本伸樹
第6回 外国人研修・技能実習制度―もう1つの人身売買? 川上園子
第7回 排除ではなく共生へ-「テロとの戦い」と人身売買被害者 鈴木健
第8回 人身売買を本当になくすために-国際社会は、そして私たちは何ができるか
ジェンダー・セキュリティの「主流化」と、多文化共生に向けた地域での取り組み-理解から行動へ 羽後静子
人身売買対策における人権と国権の交錯-「反テロ」戦争の下での搾取と移住 武者小路公秀

連続講座を終えて―問題解決への道筋を考える 原由利子

資料
キーワード解説
講師からのお勧め書籍

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