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【人権理事会報告】スリランカの移行期の正義、沖縄の環境権とデモ参加者への暴力、部落差別、ネパールのダリット差別について訴えました

更新日:2016年03月31日

反差別国際運動(IMADR)ジュネーブ事務所は2月29日から3月24日にわたって開催された国連人権理事会31会期において、以下の活動を通して国際社会への働きかけを行いました。

 

口頭声明

  • 人権高等弁務官の訪問とスリランカにおける移行期の正義 (3月10日(木)、フランシスカンズ・インターナショナルとの共同声明)。2月の人権高等弁務官によるスリランカ訪問が大きな妨害もなく実現したことを歓迎しつつ、前政権支持者による反対キャンペーンが依然行われていることに懸念を表明しました。また、新政権が移行期の正義の実現のための取り組みに市民社会を参加させていることを評価する一方、大統領や総理大臣による真実の追求やアカウンタビリティの問題について発言が一貫していないことや司法の脆弱さを懸念しました。被害者や市民社会の信頼を高めるためにも、スリランカ政府は既に十分な証拠が存在する事件の調査を直ちに開始すると共に、テロ防止法の撤廃、証人保護法や独立機関の強化を行うよう求めました。また、移行期の正義における取り組みの透明性と一般の関心を高めるよう求めました。

声明はこちら(英文)

  • 日本の沖縄での人権侵害 (3月15日(火)、市民外交センターとの共同声明)。沖縄の元米軍基地で確認されているダイオキシンを含む有害物質による土壌や水質の汚染への対応や、米軍の航空機による騒音被害への司法の対応が不十分であることを非難しました。また、辺野古の新基地建設計画における環境評価アセスメントの科学的根拠と透明性の低さに懸念を表明しました。さらに、辺野古新基地建設計画に反対するデモ参加者に対する逮捕や拘禁、嫌がらせや過剰な力の使用や、沖縄のメディアに対する抑圧的な環境について指摘しました。日本政府が和解案を受け入れたことを認識する一方、沖縄の代表との協議において自由権規約委員会の勧告に沿ってコミュニティが事前に十分な情報に基づいて自由に参加できるよう求めました。最後に、環境への権利や表現の自由、平和的な集会の権利を損なうような措置を取らないよう日本政府に求めました。

声明はこちら(英文)

  • 日本における部落差別 (3月15日(火)) 。特別報告者によるテーマ報告書である「マイノリティとカーストまたは類似するその他の継承される地位によるシステムに基づく差別」を歓迎しました。インターネットに部落地名総鑑が最近アップロードされたことを深刻に懸念し、今もヘイトスピーチや結婚において部落差別が明らかに存在することを指摘しました。また、2月に行われた女性差別撤廃委員会の日本審査においても委員会が部落女性の社会・政治参加や教育や雇用、健康における差別を経験していることに懸念していることを言及しました。日本政府に対し、差別禁止法の制定や独立した救済機関の設置や、人権教育や啓発の実施を行い、特別報告者の公式訪問を実現するよう求めました。また、人権理事会に対し「職業と世系に基づく差別の効果的撤廃に関する原則と指針」案を承認するよう求めました。

声明はこちら(英文)

  • ネパールUPRとダリット (3月16日(水)) 。ネパール政府が受け入れたカーストに関する 9つの勧告を「すでに実施済みもしくは実行中」としたことに対し、実際には法的保護および効果的な仕組みが十分でないことによってダリットは未だに基本的人権を享受できていないことを指摘しました。また、震災後の人道支援からダリットが排除されたことを指摘し、政府が復興の取り組みへのダリットの参加を保証する仕組みを取らなければまた同様の差別が繰り返されることを懸念しました。最後に、ネパール政府が効果的な法の実施と震災復興へのダリットの参加を通して9つの勧告を実施するとともに、カースト差別撤廃のための国内行動計画をダリットと共に作成し実施するよう求めました。

    HRC31_UPR-Nepal_oral statement_Renu-FEDO

    ネパールの普遍的定期審査で、報告書採択の際に口頭声明を読み上げているFEDOのRenu

声明はこちら(英文)

  • 人種差別撤廃条約および民主主義と人種主義の不和合性 (3月18日(金)) 。人種主義と外国人嫌悪が広がっている今日の世界において、政治がそのような思想に利用され、ヘイトスピーチや暴力的な言動が訴追を免れていることに懸念を表明しました。また、より立場の弱い人びとに対するインターネットにおけるヘイトスピーチを特に懸念し、被害者の司法へのアクセスが十分でないことを指摘しました。人種主義の根絶と民主主義の促進のためには人種差別撤廃条約の十分な実施が不可欠であるとし、178ヵ国の加盟国のうち85ヵ国が報告義務を怠っていることを憂慮しました。またヘイトスピーチや差別の扇動を禁止する4条を多くの国が留保していることを非難しました。最後に、パネリストに対し、民主主義を促進し人種主義を根絶する目的で、人種差別撤廃条約の義務を政府が遵守するために市民社会がどのように貢献できるのか質問しました。

声明はこちら(英文)

書面声明

サイドイベント

HRC31 side event_Challenges of Transitional Justice in Sri Lanka_Panalists

スリランカのサイドイベント IMADR理事長ニマルカ・フェルナンド(右)


スリランカにおける移行期の正義の挑戦(3月17日(木))、フォーラム・アジアとフランシスカン・インターナショナルとの共催。

‐議長:デイビット・ウェイリー、元国連常駐調整官
‐スピーカー:
二マルカ・フェルナンド理事長
ナリニ・ラトナラジャ、女性人権活動家
二ラン・アンケテル、人権弁護士

内容:人権理事会30会期で採択された「スリランカにおける和解、アカウンタビリティと人権の促進」に関する決議 (A/HRC/30/L.29)の実施のために国内で現在進行中の取り組みについて、3人のスピーカーによる分析を通して評価をしました。スピーカーは政府による取り組みを一定評価しつつ、民主国家の実現のための取り組みが移行期の正義の実現にとって代わってはならないと警告しました。証人保護法の改善や強制失踪の犯罪化、非軍事化や土地の返還といった措置をはじめ、移行期の正義の機運が高い2016年の間に具体的な措置を行う必要性を訴えました。また、元LTTE戦闘員の女性をはじめとしたこれまで見過ごされてきた人びとに政府が向き合うことの重要性も強調されました。

サイドイベントの詳しい報告はこちら(英語)

 

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